サッカーを知らないコーチが多すぎる
親はもとより、コーチでさえもサッカーをわかっていない人が多くいます。しかも厄介なことに本質を理解していない。
さらに、コーチがサッカーを「教える」ということも理解していないし、勉強していない。
例を挙げますと、
とあるフットサルコートでの練習では、シザースのやり方を教えていました。
また他所ではこんな練習も。
Aのコーンを回ってボールを受けて、それをBコーンを回った味方にパスをして、Cコーンを回ったあとに見方からパスを受けてシュート。
そもそも目的を持たずにメニューを決めているようです。
目的が練習をしてもうまくなるわけがありません。
細かい話ですが、
「簡単に」「シンプルに」という声掛けがあります。これは、簡単なプレーになるよう「考えて」プレーしろ、という意味なのですが、それをニワカコーチが聞くと「簡単なプレーをしろ」「そんなに深く考えるな」という意味でとらえてしまい、全く違う意味で子供に伝えてしまいます。
首をふれ、というのもそうです。
これは前回小那覇資しましたが、首を振るといいことがあるのか? ただ単に首を振っていてはボールを見失いますしいいことはないはずです。周りを見るために首を振るんだ、というかもしれませんが、ではなぜ周りを見ることが必要なのか?
または、「首をふれ」と直接言わないまでも、今○○くんのほう見えてた?フリーだったよ。 という声掛けでも、見えてたらなんなのか? 見えてなかったらどうなのか? フリーだからなんなのか?
そもそも周りを見ることの重要性を教えていない子に、その選択肢があるということやその動作を伝えても意味がありません。
小学校3,4年生、いわゆるU10年代が、自己中プレーからチームプレーを意識させるのにとても重要な時期なのですが、それを理解しているコーチもあまりいません。なぜその年代がいいのか、それはサッカーだけでなく一般的な話で、学習能力・協調能力等において急速な進歩がみられる時期だからです。テニス等でも同じことが言われています。
ましてやこの時期に『勝ち』にこだわったプレッシャーなどは完全に避けるべきです。レギュラー争いをさせるとか、その中に入りたくて頑張るとか、そういったチームメンバーから、コーチから、親からのストレスはネガティブ要素となり、自分の負の部分を隠そうとしてしまいます。
しだいに、サッカーがしたい、から、それらストレスから解放されたい、と思うようになり、そのストレスを解消するために、自分のマイナス部分を隠し、自尊心ばかり強くなり、承認されなければならないという承認欲求が大きくなってきます。
承認されるためにはコーチの言われた動きをきっちりとできなければならないわけで、そうなると言われたことしかできなくなってしまい、違うチームへ行くと全く何もできないような、考えて動くことができないプレーヤーになるでしょう。
まあ、国柄というものもありますし、残念ながら所詮体育授業の延長レベルですので仕方がありません。
ですが、
ですが、です、
これが日本のサッカーのすそ野です。
この中でいかに子供本人の芯を太くし、それを親がどうサポートしてあげるか。
そこが一番の問題であることは変わりありません。
コーチや監督の問題も多くありますが、それ以前に
子供を子供としてではなく一人の人間として、アスリートとして見ることができない限りは、本物のアスリートを育てることは難しい
と思います。
ましてや、本人にその意思がなければ本末転倒ですが、そういうパターンも多く見受けられますね。
あ、そういえば、上記の話をひっくるめたこんなコーチがいました。
・おれは元プロ選手だ。と子供に虚勢を張る。(ホントでもなんでも、育成に「元プロ」なんてどうでもいい話)
・ゲームで攻められたら「早く戻って来いよ!」と怒鳴る。
・自分が見えてないだけなのに「そこにいても出せないから」と人のせいにする。
・真横のパスを好む。(サッカーでは真横のパスは厳禁なのに。。。)
これでトップリーグの育成コーチです。。。情けなくなります。