スカウトマンはどこを見ている?
小学6年生や中学3年生の来年からの活動場所がほぼ決まりつつあるこの時期、 もうすでに一部のスカウトマンは次の青田買いに躍起になっています。
そこで、スカウトマンがどこを見てスカウトに動いているのか? ここ最近私が見たスカウトマンの視点をお伝えしたいと思います。
最初に、衝撃的な事実をお伝えしますと、
実はジュニア、ジュニアユースのスカウトマンも、育成はおろかサッカーをも理解できていない
というのが実情です。
「バルセロナトレーニングメソッド」の冒頭にも記述されているように、まだ日本では「フィジカル」等の身体面で優っている選手をスカウトしようとします。
これは、いわゆる目立つ子ですが、その【目立つ】はボールのある周囲3メートル範囲でのことでしょう。
スカウトマンはオフザボールなど全く見ることができていません。
残念ながら、見る必要があるなんてこれっぽっちも思っていないでしょう。
オンザボールのプレーだけを見て、「うまくボールを奪うことができてる!なのでこの選手はスカウトに値するぞ!」と判断するのでしょう。
しかし、その状況、ボールを奪わなければならない状況を作っているのは、直前の本人のプレーに他ならない場面が多々あります。
ですが、ボールのあるところしか見ていないため、そんなことはつゆ知らず、判断の良くない球際に強い選手をスカウトしようとします。
しきりにメモを取っているスカウトマンを目にすることがたまにありますが、何をメモしているのでしょうね。私にはわかりませんが理解もできません。。。
その選手が賢いかは2つ3つのプレーを見ればわかります。そのうえで、この選手がどんな特徴があるのかは2試合も見れば十分わかります。
先日ジュニアユースの試合を見てきました。初めて見るチームでしたが、前半だけを見て賢い選手は一人だけでした。後半交代出場する選手の方が賢い選手が多いので、本来は後半を見るべきなのですが。。。
ですので、せいぜいメモするのはチーム名と背番号程度でしょう。
また、スカウトマンには横のつながりもかなりあります。
親とのつながりではなく、コーチや監督同士のつながりです。コーチはいろんなチームを渡り歩いています。
この世界は小さいですから、半分以上が横のつながりでのスカウトです。
(ちなみに、この世界が小さいのは、小さな世界でないと自分の実力が発揮できないからです。コーチもしかり、監督もしかり、選手も、スカウトマンも。。。 あぁぁ、情けない。。。)
強豪チームのレギュラーだから、どこのJ下部の特別クラスに受かっているから、トレセンに選ばれているから。
スカウトマンに実力がない分、横のつながりを大切にしないと生きていけません。
そうなると、、そんな色眼鏡でしか見れないんです。
このような、子供のことを考えないスカウトに乗ってしまうと、その子の将来を棒に振ることになるかもしれません。
以前の記事にも書きましたが、自分がやりたいサッカーにそぐわないチームに行っても全く意味がありませんし、芽を出すことはなく、かえって芽を詰まれてしまうでしょう。
大きな看板の将来有望だと思えるような、もしかしたらこのままプロになれるんじゃないかと思えるような、そんなスカウトがあるかもしれません。でも、この先プレーするのは自分自身です。
自分のプレースタイルに合っているか?
自分がスカウトで買われたポイントは何か?
お互いの認識が一致しているかをしっかり把握して、納得した上で引き合いを受けるか否かを決める必要があります。
決して看板等だけで決めてはいけません。
将来がかかっていますから。
そもそも、「自分のプレースタイル」がわかっていない、答えられない選手はどこへ行っても一緒ですが。
スカウトがどうとかよりも本当は一番重要なんですよね、ここが。