周りを見れるようになるための9個のやるべきこと
以前の記事で、どうすれば周りを見ることができるのか、ということを何回かに分けて書きました。
しかし、具体的にどういう練習をすれば周りを見ることができるようになるか、という話になるかと思いますが、それはなかなか難しく、チーム全体でその意識がなければ、周りを見ることの「練習」メニューを実践することは不可能でしょう。
じゃあ、一人で練習するにはどうすればいいか、ですが、これもまた実際の状況を作るのが難しいのでこれといったメニューはあまりないのが現状です。
壁打ちで、ボールを蹴った後に後ろを見る
や
5人で十字を作り、中央の選手が後や横の選手を見ながら、他の4人とパス交換をする
などの、愚の骨頂としか言いようがない練習メニューがありますが、このような練習をしても全く周りを見ることの練習にはなっていません。
しいて1人でできる練習といえば、顔を上げてドリブル(ボールコントロール)をする練習をすべきでしょう。
周りを見ることの直接の練習ではありませんが、コントロール中のパスなどに役立つはずです。
さて、前置きはこのくらいで、、、
では具体的にどうすればよいのか、どういうことを練習(意識)すれば周りを見れるようになるのか、、、
それをやるべき順にまとめてみました。
まず、意識の問題から改善する必要がありますので、そこから見ていきましょう。
1.周りを見る必要性を理解する
以前の記事にも書きましたが、「なぜ周りを見なければならないのか」、まずはこれを理解する必要があります。
「周りを見る」ことを意識するのではなく、「自分を有利にするために情報を収集しておく」
ことを念頭に置きます。
前回の記事を参考にしてください。
2.ボールを「取られれば取り返す」ではなく、取られないようにする
ボールを取られれば取り返さなければなりません。ですが、それ以前に取られなければいいのです。
取られたら取り返すというスタンスでは、周りを見る必要がなくなってしまいますので、まずはその意識を変える必要があります。
それには、
取られないためには自分だけでボールを保持することは不可能であり、そのためには味方を利用する必要がある。
という考えを持つのがいいのかもしれません。
子供が友達に意地悪をする場面をイメージしてください。
誰かの消しゴムを奪って、持ち主の子が「返せよー」と言っているような場面です。
意地悪な数人がその持ち主を囲んで、消しゴムを取られないように投げて回していくんです。
一人で走って逃げれば、もしかしたら追いつかれてしまうかもしれません。
消しゴムならまだしもランドセルなら一人でキープするのは難しいでしょう。
あまり好ましくない例えですが、イメージはできたかと思います。
なお、子供には絶対にこのような例えで説明しないでください。
相手選手は敵ではありませんし、サッカーはルールがあってのものですので。
周りを見る、周りを使う必要性を理解できれば、
次に、では実際にどういうことを意識しながらプレーしていけばよいのか、そのあたりを見ていきましょう。
3.前に急がない
まずは自分の周り数人の状況を把握できるようにするため、前に急ぐことはしないようにしましょう。ロングボールは極力避け、パスができる味方がいればパスをするようにします。
ただし、あくまでも目的はゴールです。どこかの有名チームもそうですが、パスをすることだけに集中してしまうと本末転倒です。そのため、下記の順でパスコースを選択してください。
a.自分の斜め前
b.自分より後ろ
なお、真横へのパスは相手にとられると致命的ですのでNGです。また、真縦へのパスはその後の展開がしずらくなりますのでできるだけ避けましょう。
パスコースの選択は慣れないと難しいので、最初はパスをすることだけに集中してしまっても仕方ありません。
ただし、
目的はゴールであることは忘れないでください。
4.パスが通らなかったプレーを、試合後に必ず振り返るよう習慣付ける
パスができると思ったのに、パスをしてみると相手にとられてしまうことがあります。これは、そのパス先の味方だけを見ている可能性があります。そのため、次に行うことは、相手の位置と空いているスペースを確認することです。
5.サイド(またはセンターバック)でプレーをする(可能であれば)
中央の選手は、チーム全体を見渡すために360度の視野を確保する必要があります。しかし、サイドやセンターバックのポジションは、体の向きを正しくしていれば一目で見渡すことが可能なポジションです。
まずはその位置からプレーすることで「周りを見る」ということに慣れることができます。
次に、
6.スリータッチまでで味方にパスをする
周りが見れるようになってきたと思ったら、自分のプレーに縛りをつけてみましょう。
すると途端にできなくなると思います。
これは、縛りをつけることで余裕がなくなり、周りを見るというまだ慣れていない動作ができなくなってしまうからです。
ではその次のステップです。
7.味方にその後どうしてほしいかを考えてパスをする
パスというのは、そのコースひとつで味方が前進できるかどうかが決まってしまいます。
たとえば左サイドバックの選手がバックパスをする際、受け手の左足にパスをするとどうでしょう。
左サイドバックの選手がバックパスを選択するということは、前に進めないということですので、サイドチェンジをしてほしいということです。
目的に沿わないパスをしてしまうと、受け手は方向を変えるためにワンタッチ余分に必要となります。
次のプレーを考えてどちらの足に出すかを考えるようにしたいですね。
最後に、
8.ボールが遠くにあるとき、ボールの周りと自分の周り、すなわち全体を見る
自分の近くにボールがないときに周りを見る必要はそれほどないと思いがちですが、見ているのといないのとでは、次の自分の動作に大きく影響してきます。
これが実は一番難易度が高いですが、できればすごく上手な選手になれるでしょう。
9.上記を何度も繰り返す。
何度も何度も繰り返さなければ、周りを見ることはできません。
自分が「見えてきた」と思う以上に見えていないのが実際です。
ですので、繰り返しますが、何度も練習してください。
以上、ここで紹介した内容は、周りを見るために必要なことのごく一部です。
なぜ周りを見なければならないのか、その必要性をあなたかやっているプレースタイルに合わせてきちんと理解したうえで自身で考えることで、周りを見ることができるようになります。
皆さんもがんばってください。